リビング階段のメリットとデメリットを正しく知って理想的な住まいづくりをしよう

かつての一般的な住まいでは、階段の位置は廊下や玄関付近が普通の感覚でしたね。しかし、最近ではリビングのなかに階段を設ける「リビング階段」が注目されています。「リビングイン階段」や「リビング内階段」とも言われる間取りで、家族のコミュニケーションが増えると子育て家庭を中心にかなり人気となっています。

ただ、メリットばかりではありません。プランニング前には知っておくべき注意ポイントもあるのです…。

◆リビング階段にはどんなメリットがあるの?

リビングに階段を設けると2階の寝室や子供部屋に行くためには「リビング」を通過しなければなりません。子育て世帯には安心ポイントで、「子供が夜にいつの間にか外出していた」「知らないうちに帰宅して自分の部屋に行っていた」という思春期にありがちな心配も少なくて済むでしょう。

子供に限らず、家族全員が「リビング経由」で自分の部屋へ移動。家族が顔を合わせる機会が増えることに繋がります。必ずしも対話が増えるとは言い切れませんが、「ただいま」「おかえり」という声の掛け合いが日常的になり、「お互いに無関心」という状態を防げるかと思います。

また、上の階に繋がる空間が広がるので開放的で明るく、オシャレなイメージのお部屋づくりもできるでしょう。

◆デメリットは?

空間的な広がりは「快適」というメリットもあると同時に、広すぎるがゆえのデメリットも隠されています。

まずは、空間が増えるので冷暖房が効きにくいのです。広い空間を「暖める」「冷やす」のどちらのケースでもエアコンの効率が悪くなるので光熱費が高めになるかもしれません。

そして、1階と2階を隔てる壁がないことで音が伝わります。1階リビングの音がうるさいと「就寝中の家族が起きる」「勉強中の子供が集中できずにイライラ」など家族間の不満が増えることも…。お互いに気を使うなどの配慮がかなり必要になるでしょう。

また、「来客時に気まずい…」という問題点もあります。子供の友達が来るとリビングを通過して2階に行くので「ソファでゴロゴロ」ということもできません。逆に、リビングに来客があると子供たちが下に来づらいこともあるかもしれません。

リビングを通過するスタイルで部屋へ移動すると、常に家族の気配が感じられる「絆が深まる間取り」になる魅力がありますね。しかし、来客時や夜間の過ごし方で気を使うシーンが増えるデメリットも考えておく必要がありそうです。

家族構成やライフスタイルを考慮し「どんな過ごし方をしたいか」とマイホームに求める理想をご家族みんなで話し合い、みんなが過ごしやすい間取りをプランニングしてみてくださいね。