前回は、建ててから結構年数が経った家を壊さずに売るパターンについてお話しました。
今回は、取り壊してから売るケースのメリット・デメリット、そして注意すべきポイントを解説していきます。
◆家を取り壊して売るケースのメリットは?
建ててから年数が長い家は壊してから売った方が売りやすいと言われることがあります。それは、なぜでしょうか。
◎買い手が購入後にすぐに建設できる
家を壊してから整地するには、時間がかかります。「すぐに家を建て始めたい」という人には、古い家が残っていると面倒に感じるでしょう。
家が壊された状態の方が買い手にとっては、すぐに新築の行動に移せます。
◎管理の労力がなくなる
売り出してからすぐに売れるわけではなく、買い手が見つかるまでは通気や掃除、庭の手入れなど、手入れをしなければなりませんよね。何度も訪れるのは面倒と感じそうです。そればかりか、誰も住んでいなくて不審火が起こると大変…。更地にすれば、そんな煩わしさもなくなります。
◎土地に不利がないことをチェックした後の売却が可能
古い家だと、土地のなかに埋設物のトラブルが不安です。取り壊してしまえば、マイナスポイントのない状態で売り出せます。
◆いっぽうデメリットに感じることは?
デメリットはあるのでしょうか。
◎買い手が見つかるまで税金がアップするかも
家がない土地には、住宅用地としての軽減措置がありません。売却までの期間が長ければ、税金が若干増えるかもしれません。
◎リノベ用の物件を探している人にとって更地は購入対象外
リノベーションをして住もうと計画している人は、レトロな家はの方が目に留まります。売主的には、「価値がなさそう」と思っても、「思いっきりリノベーションが楽しめる」と購入意欲が増すかもしれません。
家を残しておくことで、「土地を買いたい人」「リノベーションするため古びた家を探している人」とどちらの目的の人もターゲットにでき、購入層が広くなるでしょう。
◆壊すべきかどうかで迷ったら?
古びた家は、壊した方がいいか、残した方がいいかは、正直なところケースバイケース。
実際に、壊すためには費用がかかります。結構高いので、それでも売れないときには「壊す必要はなかったかな?」と後悔するかもしれません。それに、もしかしたら古びた家好みの買い手を逃している可能性だってあるでしょう。
立地が良ければ、多くの人の目に留まるものです。古びた家が建っていてもそれほど売りやすさは変わらないでしょう。そのままで売却スタートし、「なかなか買い手が現れない」となったら取り壊して売り出すという戦略もあります。迷ったときには、専門家である不動産会社に相談するのも大事です。
◆まとめ
それぞれの家の状況によって、壊してから売るのがいいかどうかは異なります。それぞれのメリットやデメリットを比較しただけで壊すことは、時期尚早です。取り壊しにお金がかかりますし、「古家のままでも売りやすかったかも」と後悔するのもいやですよね。それに、一度取り壊しをすると元に戻すことはできません。
まずは、古びた家を残しても売れそうか、不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。